国宝松江城は四季折々植物に彩られ、いろいろな顔を見せてくれるのが魅力です。
特にお花見の季節に合わせて行われる「お城まつり」はぜひチェックしておきたいイベント。例年桜の開花時期に2週間ほど開催されます。
今回はそんなお城まつりの見どころをまとめました。
伝統芸能を楽しめるステージと屋台
松江城の正門から入ってすぐの馬騮(留)と呼ばれる手前の通りには屋台がずらり。
綿菓子しなど見ているとお祭り気分が盛り上がるものから、栗まんじゅうやイカ焼きなど、つい食べたくなってしまうものまでさまざまな屋台が出店。
普段見かけない屋台ならではの食べ物を買って、食べ歩くのはお花見の醍醐味ですね。
また馬騮にはステージが設けられ、出雲神楽や安来節などの伝統芸能も楽しめます。
武者とお城を楽しめるさまざまな企画
お城まつりでは、土日を中心にお城ならではのさまざまなイベント企画も行われています。その一つが「なりきり武者体験」(2023年)。
兜や陣羽織を身に着けて武者になりきるイベントです。着付けは5分ほど。
松江城を背になんちゃってお武家さん。せっかくなので鉄砲を持ち撮影!お武家さんに撮っていただけるありがたさ。
あいにくソメイヨシノは終わっていましたが、二の丸興雲閣前の黄桜がきれいに咲いていました。桜の種類が多いのも緑豊かな城山公園ならではです。
松江の街を練り歩く「松江武者行列」
お城まつりで見逃せないイベントの一つが松江武者行列。
県内外から参加している約170名の武者が松江城近辺を練り歩くため、松江城界隈の道路は車両通行止めになる大型イベントです。
スタート地は松江城馬騮。まずステージで出発式典が行われます。松江市長があいさつ後、大混雑の観客が見守る中いよいよスタート。
聴こえてくるのはほら貝の音。いかにも勇壮な雰囲気と言いたいですが、行列は歩みがゆったりしており、勇ましいというよりは厳かといった雰囲気。
堀尾家の分銅紋の扇、笛や太鼓の音とともにさまざまな衣装に身を包んだみなさんが続きます。持ち物など細かいところを見ると、とても凝っています。
侍女や大方様など女性の衣装も必見。
中ほどで登場するのが、2代目藩主「堀尾忠氏公」と3代目藩主「堀尾忠晴公」。馬に乗るお姿が格式の高さを物語っています。馬のぽくぽくという蹄の音が何とも心地よい。
華麗な行列の最後に出てくるのは何と白馬。松江城築城主の初代藩主「堀尾忠晴公」の登場です。別格の一言がふさわしい佇まい。
お城を出た後は島根県観光物産館の前を通ってカラコロ工房方面に向かい、またお城に戻ってきます。
大迫力の古式火縄銃演武
武者行列開始から2時間、最後を飾るのは武者行列にも参加していた松江城堀尾鉄砲隊による火縄銃演武。
もちろん玉は入っていませんが、石垣を背にした火縄銃の音はかなりのもの。
耳をふさいでおくよう警告もあり、前列の方のリアクションで迫力が伝わるかもしれません。
ちなみに、鉄砲演武は松江歴史館でもイベントとして不定期に行われています。
見てよし、聞いてよし、そして食べてよし、春の五感を呼び覚ます松江城のお城まつり。1年の前半のハイライトにしてみてくださいね。