松江城とその周辺は松江市の中でも中心的な観光地。お城とその周辺の景色は見ているだけで、ゆったりした気持ちになります。
しかし9月下旬から10月に松江に来るときは、昼だけの観光ではもったいない!夜には松江城とその周辺がライトアップされる「松江水燈路」という行事が行われるからです。
松江城内にずらりと並ぶ手づくり行燈のほか、お城周辺の各施設もライトアップの工夫がされており、屋台やイベントも盛りだくさん。こんなににぎやかな町なの?という雰囲気が味わえるんです。
松江水燈路は毎年催される企画が異なりますが、年々規模が拡大、イベントも増えています。今回は2018年版をご案内します。
メインは9月最終週から土日祝日開催
2018年の松江水燈路は、9月1日からスタート…ですが、1日から始まるのはアーティスト行燈&松江城本丸ライトアップ&天守登閣というごく一部。
メイン開催は9月最終週の22日土曜日から始まり、イベントらしい感じになるのは土日祝日のみ(開催時間は18:00~21:00)。
とはいえ、夜間の松江城に登れる貴重なチャンスなので、9月・10月に松江を訪れた場合は、夜間登閣もおすすめです。
約800個が並ぶ手作り行燈展
松江水燈路でぜひチェックしてほしいのが手作り行燈展。松江をテーマにした市民手作りの行燈が、松江城二の丸上の段の広場にずらりと並びます。その数約800個!
とってもきれいで幻想的です。後ろにはライトアップされた松江城天守も。
手作り行燈は市民だけでなく、プロ・アマ・年齢問わず全国どこからでも出品可能。行燈コンテストも開催され市長賞などの各賞もあり!
見るだけではなくオリジナル行燈を作って参加するのもおもしろそうですね。
こちらは松江ゆかりのアーティストによる行燈展。
やはりアーティストだけあってクオリティが違います。大手前では作者が出店を出していることも多く、ハガキなどが買えたりします。お気に入りアーティストとの一期一会も楽しいですよ。
手作り行燈はすべてリアルろうそくの灯りです。そのため終了時刻の夜9時になると撤収されます。時間に余裕を持っておでかけください。
行燈展以外にも見逃せない!松江城内のあかりの演出
松江城では行燈展以外にもさまざまな演出が行われています。
松江城に上る大きな階段の入り口では、竹筒のライトアップ「竹さかりオブジェ」がお出迎え。とてもきらびやかな大作です。
そして足元にはもみじ。小さい仕掛けもかわいくて見逃せません。
二の丸の櫓(やぐら)もライトアップされて素敵です。
櫓の中では花のオブジェの素敵な演出も。ぜひ二の丸は櫓などを隅々までしっかりチェックしてくださいね。
二の丸の横にある興雲閣もライトアップされてきれい。
水燈路のメイン開催中は興雲閣も21:00まで開館延長され、見学することができます。2階の大広間ではさまざまなイベントも行われているのでぜひ訪れてみてください。
興雲閣の正面には藍染の行燈がありました。渋いですね。
この日は「夜行茶席」というイベントも出ていました。こういったイベントは1日限定のことも多く、パンフレットを見て狙っていくのも良し。その場で見つけるもよしです。
天守夜間登閣もできる松江城のライトアップ
水燈路の期間は、天守へ登閣することができます(大人670円/受付は20:30まで)。夜間の登閣は普段はなかなかできない貴重な体験。
本丸から城下町・松江の美しい夜景を堪能できますよ(※こちらは広場からの景色です)。
行燈と松江城のコラボも素敵です。
またメイン開催日には、天守最上階の天狗の間で夜間特別茶席(18:00~20:00)も催されます(1席700円/数量限定50席)。松江の夜景を見ながら味わう抹茶と和菓子は格別ですよ。
屋台も出店!大手前広場も見逃せない
大手前広場の駐車場ではたくさんの屋台が出店されています。カレーやラーメンのほか、ご当地グルメも多数。テーブル席も用意されているので座って食べることもできます。
堀川にはかわいらしい「しまねっこねぶた」が浮いています。こういう仕掛けは、周りの人の反応で気づけます。誰かが写真を撮っている場所があったらのぞいてみてください。
大手町にある入り口案内所には「手持ち行燈」を作るコーナーもあります。ただ、こちらは子供がメインのよう。
行燈の購入のみもできるので、お土産にもいいですね。一部、運営寄付金にもなるようです。
また、大手前広場では水燈路の期間中、1日だけ「鼕(どう)まつり」という特別なイベントが開催されます。
鼕というのは、松江市に古くから伝わる大太鼓。各町内が所有しており「鼕行列」というお祭りの日に練り歩きが行われます。
それに先立ち、鼕まつりや宵宮(前夜祭)というイベントが開催されるのです。
参加町内の鼕は見た目も打ち方もいろいろ。地元の人の活気に気おされますが、実は飛び入りで叩かせてもらえます。思い切って声をかけてみるといいですよ。
松江水燈路の目玉!堀川遊覧船夜間運航
堀川遊覧船の夜間運航は、松江水燈路の目玉のひとつ。
堀川遊覧船は通常、松江城大手前・ふれあい広場(松江地ビール館奥)・カラコロ広場の3か所から乗船し、松江城と市内を遊覧できるコースですが、水燈路の期間は松江城大手前⇔ふれあい広場の片道運航(510円)です。
どちらからも乗船はできますが、おすすめは大手前発遊覧船からの乗船。「大手前発遊覧船→ふれあい広場下車→塩見縄手を散策して大手前に戻る」というコースの方が、松江城発着のバスの乗り降りには便利です。
遊覧船乗り場にも行燈が並んでいます(※写真はふれあい広場乗り場)。船の時刻は厳密に決まっているわけではなく、一定人数が集まったら出発します。所要時間は20分ほど。
船から眺める塩見縄手は昼間とはまた違った景色で幻想的。
こちらは松江城内の鎮守の森。草木や山が光っているのはスポットライトを積んだ「光船」という船が運行しているから。「動くスポットライト」がたくさん浮いているんです。
それでも暗い。江戸時代の暗さがよくわかりますよ。
松江歴史館の出雲武将行燈
大手前から塩見縄手方面へ向かう途中にある松江歴史館。ここでは門から建物まで行燈がずらりと並ぶ「出雲武将行燈」が見られます。館内も見学できるので、ぜひ見学してみては。
また、水燈路の季節は松江城周辺が一部歩行者天国になっています。
路上には猫の足跡が落ちていたり…
行燈からかわいい猫がひょっこり顔を出していたり…
きれいなオブジェ(花にやわらかなあかり)があったりと、歩きながらさまざまなあかりの演出を楽しめます。
華やかな塩見縄手、いろんな所に寄ってみよう!
城下町らしいたたずまいが残る塩見縄手には、静かな行燈の並びが続きます。この通り沿いでもさまざまなあかりの演出やイベントをやっているので、ぜひ寄ってみましょう。
武家屋敷内は塩見縄手地区でもおすすめの撮影スポット。庭園の正面にある竹藪のライトアップと行燈がきれいです!
庭園のライトアップも素敵。武家屋敷庭園は水燈路期間中、夜間のみ無料で入場できます(※建物内部に上がることはできません)。
小泉八雲のゆかりの場所らしく「アイリッシュビール」の屋台も出ています。
ベンチもライトアップされてきれい。ベンチに座ってライトアップされた庭園を眺めながらの一杯もいいですね。
武家屋敷から西側はお店も営業しており、屋台も多くにぎやか。
光船は道路から見るとよくわかります。とってもきれいで幻想的。
そして「小泉八雲記念館前」バス停の行燈はとってもカラフル。
逆に小泉八雲記念館の敷地内の行燈は「怖い行燈」。小泉八雲記念館も開館時間が延長されていて中に入れます。夜間特別割引料金でお得です。
県庁が光のオブジェに!島根県庁結いとうろ
10月半ば(2018年は10月19日~21日)の土日祝日には島根県庁も参加。県庁のライトアップや、県庁周辺の屋台やイベントも楽しむことができます。
島根県庁は松江城大手前行のバス停を下車すると、すぐ正面に見える建物。屋台などはお城と反対方向にあります。
敷地からは松江城を見ることも可能。ライトアップされた県庁と松江城、そして行燈のコラボが素敵です。
縁結び県らしくハートの行燈も。
大手前をバス停真横にはお茶席が出ていました。歩き疲れたら席に座ってちょっと一服もいいですね。
バス停からお堀を見ながら松江城方面へ移動すると「お堀に映った県庁」がきれいに見えます。10月半ばに水燈路を訪問するなら、県庁方面も要チェックですよ。
松江水燈路の会場への行き方
最後に松江水燈路の会場への行き方をご紹介。期間中はJR松江駅(南口)としんじ湖温泉から無料シャトルバスが運行しています。本数は往復それぞれ4本ずつ。
ちなみに、松江しんじ湖温泉駅から会場までは徒歩20分ほどの距離です。
松江城内や塩見縄手など周辺施設のライトアップや、堀川遊覧船夜間運航は毎年行われていますが、各施設の営業時間やイベント内容は年により異なります。
開催時間は18:00~21:00の3時間。ゆっくり見て周ると時間が過ぎるのはあっという間。
絶対に行きたい場所とイベントをパンフレットや公式サイトでチェックしておき、あとは気のむくままというのが松江水燈路のおすすめの楽しみ方。
悪天候時には、ライトアップやイベントは中止になることもあるので、公式ページで天候案内などをしっかりご確認の上おでかけください。
また、10月後半の水辺は気温が低くなるので、羽織るものをお忘れなく。
公式サイト:https://www.suitouro.jp/