松江城のすぐそば、松江城山公園内に興雲閣(こううんかく)という洋館があるのをご存知でしょうか?
明治時代に建てられた建築物で、松江城に負けず劣らず見どころいっぱいのスポットです。
今回はそんな興雲閣の魅力をご紹介します。
実は洋風ではない!擬洋風建築物
興雲閣はパッと見は薄緑がかったとてもきれいな洋風建築です。随所に洋風な装飾も施されています。しかし、屋根を見てみましょう。とっても和風ですよね。
興雲閣は明治35年に作られた「擬洋風建築物」、つまり洋風ではないのです。実は明治初期にはこういった建物が流行っており、興雲閣はその最後の名残と言われています。
その貴重さから島根県指定有形文化財(1969年)と、松江市歴史的風致形成建造物(2011年)に指定されました。
和と洋が見事に融合した豪華な内装
中に入ると洋風というより和風。ろう下の扉は引き戸、壁も漆喰です。
ですが、カーテンや窓の形はハイカラ。
実は、興雲閣は明治天皇が来県されるのに合わせて作られたもの。当時の天皇は、今よりずっと重みのある存在。
「お迎えするのには最高の建物を用意しなくては!」ということで、当時の最先端建築物が、お城の横という最高の立地条件の場所に立てらたのです。
‥しかし、諸般の事情で明治天皇は来県できず。そんな建物の歴史が1階の展示室で紹介されています。展示内容は時期により変わりますが、松江の歴史がわかる展示が多いです。
ちなみに、部分的な補修をのぞいてはすべて明治時代当初の材料が使われています。まだガラスや金具を作る技術が低かったそう。細部をよく見ると変形しているところも…。
こちらは2階にある大広間。とても広くて開放感があります。現在はライブや結婚式などのイベントに使われていて、貸切中の場合は中に入れないことも。訪れる際はご注意ください。
大広間の隣には貴顕室(きけんしつ)があります。大正天皇が皇太子時代に宿泊された場所で、立ち入り禁止ですが眺めることは可能です。
3部屋ほどあり、奥は威厳ある御座所。カーテンや絨毯がとっても豪華!天井からはシャンデリアがつり下がっています。
手前の寝室は何と畳。和洋混在がよく分かる場所です。
大広間にある小さいピアノも見どころ。このピアノの名は「ノヴィー」。1901年のチェコ製で、松江市内に放置されていたのを修復したものです。
100年以上前のとっても貴重なピアノですので、ぜひご覧ください。
ベランダからの眺めも格別!
興雲閣は2階のベランダにも出ることができます(正面部分のみ/悪天候時締切)。正面に見えるのは松江城二の丸と松江市内。とても眺めが良いです。
ちなみにこちらはガラス越しの松江城天守と松江神社(ベランダからは見えません)。隣に神社、遠目に天守という不思議な光景です。
併設の喫茶店でおいしい洋菓子を
興雲閣の入り口左手には「亀田山喫茶室」という喫茶店があります。松江城近辺は和菓子のおいしい場所がほとんどですが、ここは貴重な洋菓子を食べられる場所。
店内は落ち着いた雰囲気。メニューはトーストやグラタン、ナポリタンなどのほか、アルコール類もあります。なかでもおすすめは日替わりケーキの中から選べる本日のおやつ。
今回は、フランボワーズのガトーショコラと亀田山ブレンドコーヒーをオーダー。ケーキはこれが最後の1つでした。夕方だと売り切れの可能性があるのでご注意ください。
亀田山ブレンドコーヒーは市内の有名珈琲店が、この店のためにブレンドしたもの。お土産に買って帰ることもできます。
ケーキはシンプルなガトーショコラにフランボワーズの酸味がベストマッチ。
雨の日にはここでまったりするのもおすすめですよ。
- 営業時間:
- 4~9月/8:30~18:30(L.O.18:00)
- 10~3月/8:30~17:00(L.O.16:30)
- モーニング/~10:30/軽食 11:00~
幻想的なライトアップも見逃せない!
水燈路(例年9月~10月頃)の季節になると、興雲閣はライトアップされ、より幻想的な雰囲気になります。水燈路の時期には昼間だけではなくぜひ夜にも訪れてみてください。
- 料金:無料
- 営業時間: 4/1~9/30 8:30~18:30(最終入館 18:15) 10/1~3/31 8:30~17:00(最終入館16:45)
- 休館日:年中無休
- アクセス:松江城「大手前」バス停下車
- Web:https://www.matsue-castle.jp/kounkaku/