松江城周辺でおいしいものが食べられるスポットとして有名なのが「塩見縄手地区」。城内ではお城の正門近くもにぎやかです。
実はそんな塩見縄手と松江城の間には、ひっそりとした小径があり、見どころやおいしいものが隠れているんです。
八雲お気に入りの散歩道に佇むお茶処
松江歴史館正面の「惣門(そうもん)橋」を渡り、塩見縄手方面に向かってそのまま道を歩いていくと、松江城の北側の静かな通りが続きます。
この道沿いにあるのが松江護国神社と城山稲荷神社。松江城正面とはうってかわって、大勢の観光客はおらず、人がまばらな通り。
地元の人なのか、観光客なのかわからない人にたまにすれ違う程度。
喧騒を離れ、ひとりでぶらぶらするにはもってこいの場所です。しばらく歩くとやや道が開け、左手には松江城椿谷公園が見えてきます。
その反対側、右手にあるのが「へるんの小径」というお茶処。こじんまりしたお店です。
この道は陽が当たらず、苔むした石垣がとてもきれいですが、その分、冬は空気がひんやりしています。店内にはストーブが置かれていて一服にはもってこいな場所なんです。
しつらえに魅かれる店内
お店はご主人と奥様のお2人でやっておられアットホーム。席は10席程度、場合によっては外にあるベンチも中に入れて使うとのこと。
店内はストーブでぬくぬく、背後には城山公園があります。
テーブルのお花や飾りもとても素敵。お花は生け花を習っておられたという奥さんの手によるもの。
ぐるっと囲むテーブル席になっているため、どこから見てもきれいなお花にするのは大変そうです。
イスに使われているクッションやランプシェードにも、手を抜いた感じのするところはありません。「隅々まで行き届いた」というのは、こういうことをいうんですね。
よく見るとテーブルの下には縄がある。もしかするとこのテーブルで何かが焼けるのかな?と思ったら、これは「なんちゃって」なのだそう(笑)
ちなみに、かわいい猫の籠はもらいもの。お客は私一人だったので、安心してアレコレ聞くことができました。
名物は「ぶぶだんご」と「ぼてぼて茶」
メニューは8種類のみで、「ぶぶだんご」と「ぼてぼて茶」がへるんの小径の名物。
「ぶぶ」とは、お茶のこと。お茶のお供という意味で付けられた名前のようです。松江ではこのお店でしか見かけません。
ぶぶだんごは、紫芋、草、白の3種類が用意されており、さらに上にかけるトッピングは「あん」と「みそ」の2つから選べます。甘いものが苦手な人でも安心ですね。
ちなみに、だんごの種類は季節により変動するとのこと。紫芋は春には「桜」になるそうです。
ということはお芋は冬限定?迷わず紫芋をチョイス。甘党なので「あん」をお願いしました。3つ串にささっているのですが、1つの大きさが5㎝くらいあります。
白玉団子っぽいものを想像するとかなりのボリューム。紫芋のあんも「おいも」。くどくない甘さでほっこり。
団子にボリュームがあるため、ランチにする人も時々いるそう。しじみ汁と合わせてもいいですね。
こちらはぼてぼて茶。番茶にお花が入ったお茶です。花があるため、このような泡が立ちます。普通のお茶に比べてやや苦みがあるのが特徴。
ここに、あられ、たくあん、黒豆 お漬物、赤飯を入れて頂きます。この組み合わせはどこのお店でも同じ。
最初の一口目はまず何も入れずに飲みます。城山稲荷神社から歩いてくると、それなりにのども乾くもの。ほっと一息!
実は筆者はあまりぼてぼて茶が好きではなかったのですが、この日はお正月明け。胃も心も疲れ気味、というときにお漬物の塩味がとてもいい感じなのです。
元々ぼてぼて茶は間食であったり、たたら製鉄の合間に飲むものという説もあるようです。なので、ちょっと「お疲れモード」というときにぴったり。
旅疲れしてきた、いろいろ食べ過ぎたというときは、ぼてぼて茶だけでランチを済ますなんていう方法もアリかも。
ふらりと立ち寄れるお茶処「へるんの小径」。開いている時間が短く不定休もありますが、観光に疲れてきたらぜひお立ち寄りください。
- 営業時間: [12月~2月]10:00~15:30 [3月~11月]10:00~16:30(ラストオーダー15:30)
- 定休日:水・木(不定休あり)
- アクセス:ぐるっと松江レイクラインバス「大手前堀川遊覧船乗場・歴史館前」から徒歩15分、「小泉八雲記念館」徒歩10分